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「御伽草子」から・・・

Posted by 世羽 on 15.2013 道草   0 comments   0 trackback
数日前、小学生が書いた童話「ごん狐」の感想文をめぐってちょっとした話題があった。
ことの経緯は・・・小学生の「ごんぎつね」の感想文が話題に
・・・で・・・、考えていた。
情緒ってこんなもんか?・・・と。
それで訳あってこんな展開に。

鉢かづきindex

御伽草子のなかの「鉢かづき姫」
読まれたこともあるでしょうが、今それを・・・。
(注:伝えられている話が多少異なるものもあり、ちょっと混ぜたあらすじを。原文はもっと長い)

遠い昔、河内の国(現在の大阪府)の交野に「備中の守藤原実高」という人がいて、
奥方「照見の方」と何不自由無い暮らしをしていました。
夫婦仲は大変良く、幸せな毎日を送っていましたが、ただひとつ子供がいませんでした。
二人は「ああ・・・子供がいたら」そう願うことしきり。

照見の方は、子供を授かるようにと
大和の国、初瀬寺(奈良県の長谷寺)の観音様に、お参りを続けます。
そんなある夜のこと。
枕元に観音様が現れ
「女の子を授けるが、鉢を被せるように」と言われます。

こう告げられたところで照見の方が目を覚ますと、
目の前には、お告げどおり鉢がありました。
それからしばらくして、照見の方は予告されたとおり女の子を授かります。
それは愛らしい姫で、「ほんとうにありがたい!!」と二人は心から喜びます。

そして姫は「初瀬」と名づけられました。

初瀬寺の観音様を信仰していた照見の方は、
「これはきっと観音様のおかげに違いありません」と、
さっそく、生まれた姫を連れて御礼参りに出かけ
「姫を授けていただき、ほんとうにありがとうございました。
ゆくゆくは、どうぞこの姫が、末永く幸せに暮らせますようお守りください」

そう祈ったのです。

物心つくころになると、姫はお母さんである照見の方からたくさんの事を教えられます。
琴やびわ、歌、そのほかいろいろと・・・。
姫は利発で覚えもよく、すべてにおいて上手くなり、
しかもとても美しく育っていきました。

ところが姫が13歳(ものによっては14とある)になったとき、
照見の方は病の床につきます。
姫は初瀬寺の観音さまにお参りを続け「母の病が直りますように」と、
懸命にお祈りをしますが、なかなか良くなりません。

そして、照見の方は姫の将来を心配しながら、この世を去るのですが・・・。

そのまぎわ、姫を傍らに呼ぶと、手元にあった手箱を姫の頭にのせ、
さらにその上に、大きな鉢をかぶせます。

さしも草ふかくぞ頼む観世音
誓いのままにいただかせぬる

(観音様にお願いしたように、いま、姫に鉢をかぶせました。
観音様がお守りくださるよう、ふかくお頼みいたします)

と詠み、彼女は息をひきとりました。

鉢をかぶるokuharayuka

その後、備中の守は後添えをもらいますが、これがまた、いけすかない女性で。
鉢をかぶり、しかもそれが取れなくなって哀れな姿になった姫を何かといじめ、自分の子供が生まれると、あることないことを実高に告げて、姫を苦しめました。
実高も目が曇ったのか、それを信用して、後妻とともに、ついに姫を家から追い出してしまう暴挙に・・・。
鉢入水images

行き場を失った姫は絶望し、とうとう川で入水します。
川岸の柳の糸のひとすじに
思いきる身を神も助けよ

(川岸の柳の枝が一筋の糸のように垂れています。その糸の一筋のように思い切って死んでいくわたしに、どうか神様も力をおかしください)

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ところが、
かぶっていた「鉢」が浮きの役目をして沈めず、通りかかった舟に引き上げられます。
でもその異様ないでたちを気味悪がられ、命は助かったものの
岸に放り出されてしまうのです。

鉢かづきhachi2

命を取りとめてなお、いろいろ彷徨った姫は、
奇異の目で見られ、やじを飛ばされながら、ある村に着きます。
そしてそこで、「珍しいやつ」がいる・・・と、好奇の気持ちを抱いた山陰の三位中将という国司の目にとまります。
中将は部下に命じて鉢をとらせようとしますが、誰がどうやってもビクともしません。
「これはどうしたことか」、と姫に話を聞き、
哀れにおもった中将は、自分の屋敷での働き口を姫に与えます。

姫は、さまざまな偏見のなか、
お姫様育ちとしては、大変で慣れない仕事を一生懸命こなします。
(学問や芸事のみしか知らなかった姫を、それでは仕方ないというので湯殿係にした)

あるとき、中将の四男でとても美男子の「宰相の君」が、
以前からどことなく品のあると感じていた姫の美しい声を聞き、
湯浴みの背中流しをしてもらおうとしたところ、
偶然、鉢の下の姫の顔を見てしまい、驚きます。
ものすごく綺麗だったのです。
そして宰相の君は、姫を心から愛するようになっていきます。
姫に結婚してくれるよう頼むまでに・・・。

宰相の君は姫にこんなことを言います。
「移り変わりの激しいこの世を生きていくのはむずかしいことだね。
仏教では、不幸な目にあうのは前世の報いだというし、
それが本当なら、
おまえが悲しい想いを重ねてきたのは前世の報いを受けているのかもしれない。
でも、仏教では夫婦になったり親子になるのも
前世からの切っても切れない縁があるという。
だとしたら、わたしがこれまでいくら勧められても結婚しなかったのも、
急におまえと結婚したいと思ったのも
深い縁あってのことだろう。
わたしはおまえを幸せにするよ。だから結婚しておくれ」


気持ちはわかるとしても、それは周囲の人の許すところではありませんでした。
宰相の君は、これ以上皆から反対されるなら家を出る・・・そこまで決心します。

そんなとき、とある入れ智慧で、兄弟の「嫁くらべ」が行われることに・・・。
姫に恥をかかせて追い出そうという計画です。

姫は悩み、宰相の君に迷惑をかけてはいけないと、館を出ようとしますが
宰相の君は「わたしはけっして離れない」と・・・共に館を去ろうとします。

鉢旅立ち前p-hati3

そして出立の夜明け、旅立とうと歩き出したとき、
姫のかぶっていた鉢がパコっと取れ、前に落ちたたではありませんか。

驚いた宰相が姫を見ると、そこには目のさめるばかりの美しい顔がありました。
艶やかな髪、整った目鼻だち、それは宰相が思っていたより遙かに美しく、
愛らしく、気品がありました。
そして転がり落ちた鉢からは、たくさんの宝物や金・銀の作り物、
見事な十二単の小そでの着物、紅の袴などが湧くように溢れ出してきたのです。
「ああ、ありがたいことだ。こんな幸せを授かったのだからもう何処へ行くこともない」
宰相はそう思います。
また姫は
「こんな幸せを授かったのも、お母様が信仰なさっていた初瀬の観音様のおかげにちがいない」と、思わず両手を合わせ、初瀬の方角を向いて拝み、むせび泣きました。

こうして二人は屋敷に戻り
姫は無事に「嫁くらべ」に出て、
天女のように美しい姿を見せて居並ぶ皆を唖然とさせます。
兄嫁たちは嫉妬にかられ、何とか恥をかかせようと、琴やら、歌やらを挑むのですが、姫はすごく謙遜にそれを受けたばかりか、見事なまでの力量をみせて勝利し、晴れて宰相の君と姫は結婚します。

で・・・。

二人が子供にめぐまれ、幸せに暮らしていたとき、
とある行者が、とある場所で彼らの子供を目にします。
行者は驚きます。
「ああ・・・昔のあの子によく似ている」
そうです。この行者は姫のお父さん、備中の守でした。

彼は、あの後妻にふりまわされ、貧乏になり、結局、自分が騙されて大事な我が子を追い出してしまったことに気づき、姫を捜す旅に出ていたのです。

彼が、大和の国の初瀬寺に着いたとき、
「そうだ、ここは亡くなった妻が深く信仰していた寺だ。
妻は、あの子がここの観音様のおかげで授かったと言った。
ならば、お願いしたら姫に逢わせてくれるかもしれない」
「姫がもし、まだ生きているなら、どうぞ、逢わせてください」と一心にお経をあげました。
すると、どこぞの侍がやってきて、
「今、国司さまが家族と一緒にこちらにおいでになる。しばらくさがってくれ」と言うのです。
そして備中の守が退きながら見た子供たち・・・・それが、姫の息子たちでした。

なんと、宰相の君が新たに三国を授かった御礼にと
姫たちも「初瀬の観音様」にお参りに来ていたのです。

そして姫は、父である備中の守と涙のうちに対面します。

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またこの時、宰相の君や召使いたちは、姫が由緒正しい家柄の者であったことを
「ああ・・・そうだったのか。どうりで・・・」と、
姫の上品さや教養の高さの理由を初めて知ったのです。
実は、姫は何度も身分や生い立ちを話そうとしたのです。
でも、そうしたら継母の悪口も言うことになってしまうから・・・と、
じっと黙っていたのでした。

そののち備中の守は、宰相の君から新たな役をもらい、
若君のひとりと共に暮らすようにとりはからってもらう厚遇を受けます。

こうして、鉢かづきの姫、初瀬姫は、宰相の君とともに、
伊賀の国の立派な御殿で、末長く、幸せに・幸せに暮らしたそうです・・・。

めでたし!

*****

今さらこんな話・・・と思うかもしれませんが
ちょっとだけ感じてもらえるならば・・・

この話、読む人によって響くところは違うかと思いますが・・・。

すこぶる綺麗で、心根の優しい女性が
突然訪れた波乱の日々に、命すら捨てたくなるほど絶望し、
でも、時が来ていないと死の淵から呼び戻され
新しく出逢った環境で懸命に生きながら
しだいに平安を呼び込んでいく・・・。
しかも顛末は明るい。

そこには
人生の変転・苦しみや悲しみ、誰かに虐げられる日常が、
祈りや神様の助けで幸せに転じ、
対人関係における誤解が解け、許し、改めて大いなる幸せを掴むという、
人が「密かに望む人生物語」が展開している・・・
そんなことを感じてもらえたらな・・・と。

しかも宰相の君は、最後まで鉢かづき姫を愛し、それを貫き通し、
幸せになるという、理想的な愛の物語も含まれていますし。

おとぎ話ですから、何で「鉢」なんか被せた・・・あたりは、大目にみてもらって
とにかく、この物語をつくった古人の気持ちが溢れているところを
心で感じてもらいたい・・・そんな感じです。

たかがおとぎ話や昔話・・・されど、
けっこう深いものを暗示している。
そこを情の部分で感じるとき、案外勉強になるかもしれません。

大人の昔話・・・皆さんに小さな幸せを運びますように。


宰相の君だったら・・・こう言ったりして。
http://www.youtube.com/watch?v=k0WU1ePzhOI




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Author:世羽
心のなかに響く声なき「声」を、ひっそりと語ろう・・
ふと、そう思いたった無名の求道者(?)・・です。
すべての人が幸せに
喜びに満ちて生きることができますように祈っています

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